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不定期宇宙船 No.3

片桐 哲


 
 『Windows Vista』が発売されて数カ月経ちましたが、星群の会員で使われている人はいるのでしょうか。普通はパソコンを買い換えない限り、滅多にOSだけのアップグレードはしませんよね。『XP』パソコンに『Vista』を入れても、動作が重くて使い物にならないという評判だし。

 ボクは、『Windows』は『Vista』どころか『XP』も『ME』も使ったことがありません。FICパソコンの『95』をアップグレードした後、ずっと使い続けていた『98』が、去年の八月にようやく『98SE』に変わったところです。(笑)
 ボクのパソコンはワープロとして運用できればいいので、とりあえず使い慣れたワープロソフト『OASYS95』がきちんと動けばそれで充分です。『OASYS95』は名前の通り、『Windows95』上で動く仕様なので、OSを『98』に変えたときには『OASYS95』のインストール後に「正常に動作しないかもしれない」との警告がでました。『98SE』も同じ警告がでますが、『98』では無視して使っていても問題はなかったし、『98SE』でも、いまのところ不具合は出ていません。
 また、OSが『95』の時代に平凡社のCD版『世界大百科事典』が発売され、書籍版なら三十万円近い値段が、CD版は六万円弱だったので思い切って買いました。書籍版は値段もさることながら、置き場所も必要なので、欲しかったのですが二の足を踏んでいたのです。
 当然CD版の対応OSは『95』ですが、その頃はパソコンの知識も乏しく、OSが変わると使えなくなる可能性もあるということは念頭にありませんでした。その後、OSを『98』にアップグレードしたら、付属の『世界地図』が使えなくなり愕然。しかし、『世界大百科事典』本体は『98SE』でも使えているので、今のところ六万円すべてが無駄になったわけではありません。
 実は、『98SE』をインストールしたパソコンは『Vista』をインストールできる必要最小限の能力を持っているので、『Vista』発売前にマイクロソフトが配布した『VistaRC1(体験版)』を使って、試しに『世界大百科事典』と『OASYS95』をインストールしてみました。もし使えるならば『98』から一気に『Vista』にアップグレードしてもいいかなと考えたのです。結果、『世界大百科事典』はどうにか使えましたが、『OASYS95』は正常に動きませんでした。ということは、ボクにとって『98SE』は最後のOSになるかも。(爆)
 このパソコンは、『98』で使ってきた二代目のパソコンが五年近く経つことから、去年の八月に新調した三代目です。マザーボードのチップセットは『98』のドライバーを持っているので、『98』で使えるだろうと踏んだのですが、メーカーの仕様上の対応OSは『98SE以上』となっていて、実際に『98』ではインストール後に不具合がでました。そこで八年使い続けた『98』はそのまま古いパソコンに残し、サブ機として待機していてもらうことにして、新メイン機には仕方なしに『98SE』をインストールしました。八年ぶりの新OSですが、すでにマイクロソフトのサポートが終了しているという現実は、寂しいというか、清々しいというか……。
 三代目パソコンは、マザーボードのチップセットが一世代前のもので(現世代のチップセットは『ME』以前のOSに対応していないので)、メモリーもDDR400ですが、CPUは省エネのためにインテル最新のデュアルコアを搭載したので、デュアルコアに対応していない『98SE』でCPUが片肺飛行(シングルコアしか動作しない)になっても、スーパーπ104万桁計算は32秒が出ます。二代目は144秒でした。初代のFICパソコンと比べると、二代目のデスクトップ表示の体感スピードはキビキビ動くという感じでしたが、三代目はキビキビを超えて爆速です。
 『98SE』も『OASYS95』も古くて軽いソフトなので、『Vista』にそこそこ対応できる仕様のパソコンで使うとめちゃくちゃ速い。ワープロソフトは編集速度が遅いと言ってエディターを使う作家もいますが、『OASYS95』は、編集作業ファイルをRamDrive上に置いていることもあって、エディターに負けないスピードで動きます。まったくストレスは感じません。
 さて、爆速のワープロソフトと爆速入力のキーボードは揃っているけれど、これを自在に使いこなす能力がボクにあるのか、というのが最大の問題ですね。
 

(2007.6.2)

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