先週の日曜日はお彼岸の中日で、いつものように墓参りに出かけた。お寺は父親の出身地にあるので、親戚の家に立ち寄るのも恒例になっている。
まあ、たいていはつつがないことが普通だが、今回は父方の叔父が五月に亡くなったと知らされて驚いた。叔父といっても、ボクとは九歳しか違わない。
また星群の関係でも、今年は多くの訃報に接することになった。
そういう事実に出会うと、やはりボクもずいぶん歳をとったなと思わされる。
しかし、年をとってみて初めて分かったことだが、頭の中は外見の年齢相応には変化していかない。気分は二十歳のころとあまり変わらない感覚だ。これはちょっと予想とは違う事態である。二十歳のころに見ていた五十代の大人というのは、こういうものではなかったはずだが……。
あの頃の大人の雰囲気をボクは持っているのだろうか。鏡を見ればそうだけど、精神的には外見ほど歳を重ねたとは感じられない。
ということは、昔の五十代もボクと同じ感覚だったと思う方が自然だよね。ふうん、そうだったのか。
人間の脳は二十歳くらいで完成するといわれているので、後は知識は増えるが進歩はしないということだろうか。十代のときの体験や書籍からの知識が、ずっと自分の人生をコントロールしていることを考えると、そうなのかもしれない。
そして、その十代でSFと出会ったということは、つまり死ぬまでSFとは縁が切れないだろうな、ということだ。
(2007.10.1)
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