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不定期宇宙船 No.11

片桐 哲



 今年は雪の便りが早かったですね。寒い冬になるのだろうか。
 気象庁の長期予報はそうでもないようなことを言っているけど、けっこう外れるしね。
 車をやめたボクにとってはガソリンの値上がりは痛くも痒くもないけれど、灯油の値上がりは直接ひびくので、10月末に暖房用の灯油を一冬分購入しておいた。昨今の石油製品の値上げのニュースを見ると正解のようだ。
 しかし我が家では、暖房のメインは炬燵である。それも早めに出し、遅く仕舞う。足元が冷えるなと感じる気温になればすぐに出し、仕舞うのは五月かな。
 炬燵は居間にひとつ、二階の日当たりのいい部屋にひとつ。二階の炬燵は読書用なのである。
 とにかく炬燵で読書というのが大好きだ。炬燵のない季節は、読書の場所を探してうろうろしてしまう。読んでいてもいまいち落ち着かない。おかげで晩秋から初夏までは読書量も増えるようだ。
 その昔、司馬遼太郎の『竜馬がゆく』を読んだのも炬燵。飯を食う時間以外はひたすら読み続け、眠くなったらそのまま炬燵で寝て、目が覚めたらまた読む。いやあ、幸せな時間だったな。
 ところで、今冬の二階の炬燵には新しい仕掛けが加わった。
 去年の夏に新型CPUでニューパソコンを組み立て、パソコン筐体は新旧2台になったわけだけれど、ディスプレイは重いCRT1台だけだったので、ワープロを使うときは書斎の机の前に座るしかなかった。しかし、この夏に液晶ディスプレイを手に入れたことにより、パソコンの移動が可能になった。ネットとの接続は無線LANなので、パソコン筐体の移動には制約がない。
 まあノートパソコンを買えば簡単に解決する話なのだけど、パソコンは自作するのをモットーにしているので、そういうわけにはいかない。
 そんなわけで、今年は二階の炬燵に旧パソコンをセットし、読書と共にワープロも打てるようになった。この文章もいま炬燵で書いているというわけ。
 読み書きが同じ場所でできるのは、やはり便利で快適である。旧パソコンといっても、ワープロやネット検索程度での体感速度は、新パソコンと変わらない。
 炬燵でものを書き、本を読むということについてなにか問題があるとすれば、ポカポカと暖かくてすぐ眠くなるということかな。


(2007.12.1)

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