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不定期宇宙船 No.12

片桐 哲



 2008年、明けましておめでとうございます。
 昨年中にこのコラムを書こうと思っているうち、年が明けてしまいました。コラムを始めたときには、月に2回くらいは書けるだろうとたかをくくっていましたが、甘かった。時の流れはチョー速いです。

 元日の朝日新聞に、二つの選択肢アンケートという記事がありました。「老後に確保できるものとして、金と健康のどちらを選ぶか?」の結果は、男女ともに80パーセント以上の人が健康を選択していました。
 健康ブームといわれて久しいですが、健康を気にしすぎてストレスが溜まりそうな世の中の風潮ではありませんか。健康オタクとでも呼べばいいような。
 ボクは健康なんて気にしたことはないんですが、よく考えたらそれはボクの身体が健康な状態にあるかららしい。昨年の星群祭で雑談中に気づいたことですが、ボクはずっと自分はクジ運が悪いなと思ってきたわけだけれど、どうもそれは健康という大当たりを引いていたせいかもしれない、というわけです。
 中学3年で虫垂炎で入院して以来40年以上経つけれど、その間、風邪以外で医者にかかったことはありません。その風邪もここ3〜4年ひいていないし、10年ほど悩まされた花粉症も、風邪と共に去りぬで直ってしまいました。このところ12年ほど医者の世話になっていないし、歯科に行ったのは二十歳のころが最後です。おかげで我が家にある薬といえば、傷薬とかゆみ止めくらい。バイアグラはもちろんのこと、胃腸薬すらありません。
 持病はないし、眼鏡もいらず、腰痛・神経痛・関節痛・四十肩、なにひとつ経験なし。ふだんは肩もこらないし(マウスを使いすぎたときは一晩こります)、快食、快便、快眠……。あはは、これじゃまるで、村上春樹の言いぐさじゃないけど、ターミネーターみたいですね。
 しかし、ボクは村上春樹みたいに走っているわけでもないし、山のように野菜を食っているわけでもない。だいたい歩くのでさえおっくうなので、散歩などまずしないし、車を手放してからはどんなに近くてもチャリでゆきます。食事は好きなものだけ食べて、量が少なければ太らないだろうという程度の認識です。
 ボクに健康法はないんですが、あえて言えば、健康のためになにかしなくちゃなどと考えないことかな。ストレスを溜めないのが一番だと思います。
 とはいえ諸行無常。朝の紅顔、夕の白骨。いま健康だからといっても、明日のことは分からないですけれど。


(2008.1.1)

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