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SFマガジン思い出帳 第103回

雫石 鉄也







1974年12月号 No.193

掲載作

征東都督府(第2回)
光瀬龍
チックタックとわたし
矢野徹訳 ジェイムズ・H・シュミッツ
超能力者
仁賀克雄訳 フィリップ・K・ディック
恋愛超心理学
浅倉久志役 ロバート・ブロック
思考の檻
伊藤典夫訳 ジョン・ブラナー
めぐりあい・・・・・・
石川智嗣訳 アルジス・バドリス
用語コンサルタント
豊田有恒
流氷民族(第3回)
山田正紀
大河漫画
鳥人大系 第16章 ブルー・ヒューマン
手塚治虫
連載評論 幻想小説の方へ 
夢の言葉・言葉の夢 第15回 少年哀歌集
川又千秋
日本SFこてん古典 第21回 
大正時代のSF
横田順彌
SFスキャナー
奇想天外な当たりまえSF「サー」
団精二
思考の憶え描き 連載20
果実計画
真鍋博

 この号は「超能力SF特集」ということで、海外作家5編は「超能力SF」である。小生などから見ると、こげなSFを書くのも、それを日本語に翻訳するのも「超能力」としか思えないのだが。だから、ことさら「超能力特集」とうたわなくとも、通常の号でも充分に「超能力」を見せてもらっているわけ。
「チックタックとわたし」惑星ジョンタロウ。天才少女テルジーのペットはでっかい猫。猫といってもただの猫ではない。
「超能力者」核戦争終了後、地下都市で生きる人々。救いを与える人がいた。彼は超能力者であった。
「恋愛超心理学」超能力なんかない。そう頑固にいいきる博士の娘。その娘が結婚しよかといってる男は超能力者だった。困った。そして一計を案じる。
「思考の檻」テレパスの内面描写である。
「めぐりあい・・・・・・」ある種の「能力」を持った女。その女に真実の愛を与えることのできるただ一人の男。彼女はその男とめぐりあった。
 以上が「超能力」特集である。いずれも素直な「超能力」ではなさそう。
「用語コンサルタント」この号の巻頭小説。何をいっても差別だと叱られる。で、叱られないように「言い換え」のプロが商売繁盛。
「征東都督府」連載2回目。この物語のヒロインかもめが官憲に囚われる。
「流氷民族」自衛隊電子実験場の奥深くでなされている訓練。そして話は人類かいびゃくのころの太古へとおよぶ。
「フォーカス オン」のページで、新作SFアニメの紹介。ガラミスの攻撃で放射能汚染された地球を救うため、はるかイスカンダルめざしてヤマトは旅立つ。「宇宙戦艦ヤマト」である。

(2015.11)
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