この年、半村良が直木賞を受賞した。SF作家で始めての快挙である。半村本人もSFマガジン編集部も素直に喜んでいる。残念ながら受賞作はSFではなく、掲載誌もSFマガジンではない。それ以降直木賞を受賞したSF作家はいないし、SFが受賞作になったこともない。この当時の直木賞は今よりも権威があったと思われる。
その半村良の連載小説「亜空間要塞の逆襲」(連載3回目)主人公半村良の子供のころのお話。
「過ちの日々に」直木賞受賞を記念して書かれた短編と思われる。広告のスタジオを経営している主人公。人の心をよめる若い女性と知り合う。半村の広告屋時代の想い出を交えながら。
「キャサドニアのオデッセイ」美しい星キャサドニア。ここに来て人類が最初にやったこと。殺戮。
「ぬれた洞窟壁画の謎」銀河辺境シリーズの予告編。僻地にある洞窟をエスパー美女といっしょに調べに行く。
「ジョナサンと宇宙クジラ」巨大な鯨が宇宙にいる。その鯨の体内に入る。そこには街があり、人が住んでいる。その鯨のトシが17歳?!とってもヤングな宇宙SF。
「太陽の風」太陽風を受けて走るヨット。いやあクラークだ。傑作。宇宙SFの醍醐味。
「暗夜航路」目次はジョン・ブラナーとなっているが、ブラナーではない。志賀直哉でもない。べんべん。それはだれかとたずねれば、ジェイムス・ブリッシュ。べんべん。大金持ち、地球を出る。
「征東都督府」(連載6回目)目次は6回目となっているが、本文は5回目となっている。6回目が正解。「暗夜航路」は目次が間違い本文が正解。ちゃんと校正しとるんかいな。昨今の異変、どうも勝海舟があやしい。土方歳三が勝を問い詰める。
「ナラポイア」自分がだれかのあとをつけていうような。逆被害妄想。
「てれぽーと」のページに星群祭の広告。1975年だから第2回星群祭だ。広告では会場が堀川会館となっているが、実際は京都府立勤労会館で行われた。第1回にやって好評だったショートショートコンテストを実施。小生(雫石)も選考にあたった。ショートショートのコンテストには何度か応募したが、選考する側に回ったのは、後にも先にもこの時だけ。
(2016.3)