この号はロジャー・ゼラズニイ特集である。1970年代、アメリカSF界にさっそうと登場した二人の新鋭作家。サミュエル・ディレーニイとロジャー・ゼラズニイ。ディレーニイは少々難解でとっつき難いところがあるが、ゼラズニイはよりエンタメ性が強く判りやすい。
「このあらしの瞬間」宇宙船中継基地「ベティ」を暴風雨が襲う。
「悪魔の車」AIを搭載していて意識を持つ車。野生化した車のボスが黒いキャデラックに兄を殺された。復讐を誓う。陸上版「白鯨」
「この死すべき山」宇宙一高い山に登る。夢枕獏、谷甲州の方が面白いかな。
「亜空間要塞の逆襲」私と邦子はギターひきと知り合い「ジャンの店」へ連れて行かれる。451という酒。ヴォネガットという男。JGの片腕ノヤマという男。くすぐりがいっぱい。
「征東都督府」最終回である。とうとう時間犯罪者の正体があきらかになった。
「宇宙にしるしを」宇宙にしるしをつけるというホラ話。それだけのこと。さしたる意味はない。
「ベン・バクスタ−の死」ベン・バクスターを死なせていけない。地球を救うために。
「檻」宇宙船不時着。現地の生き物のとりこになる。自分たちが知的生物であることを、いっしょうけんめいに、その生き物にアピールするが・・・。
(2016.7)