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SFマガジン思い出帳 第109回

雫石 鉄也







1975年6月号 No.199

掲載作

亜空間要塞の逆襲(第5回)
半村良
このあらしの瞬間
浅倉久志訳 ロジャー・ゼラズニイ
悪魔の車
峯岸久訳 ロジャー・ゼラズニイ
この死すべき山
峯岸久訳 ロジャー・ゼラズニイ
征東都督府(最終回)
光瀬龍
宇宙にしるしを(コスミコミケ第2弾)
米川良夫訳 イタロ・カルヴィーノ
ベン・バクスタ−の死
中上守訳 ロバート・シェクリイ
一ノ瀬直二訳 バートラム・チャンドラー
思考の憶え描き (第26回)
部品計画 
真鍋博
日本SFこてん古典 (第27回) 
古典SFQ&A
横田順彌
SFスキャナー
障壁を破る
ジーン・ヴァン・トロイヤー
イラスト・ファンタジー
大地の始まり
加藤武夫

 この号はロジャー・ゼラズニイ特集である。1970年代、アメリカSF界にさっそうと登場した二人の新鋭作家。サミュエル・ディレーニイとロジャー・ゼラズニイ。ディレーニイは少々難解でとっつき難いところがあるが、ゼラズニイはよりエンタメ性が強く判りやすい。
「このあらしの瞬間」宇宙船中継基地「ベティ」を暴風雨が襲う。
「悪魔の車」AIを搭載していて意識を持つ車。野生化した車のボスが黒いキャデラックに兄を殺された。復讐を誓う。陸上版「白鯨」
「この死すべき山」宇宙一高い山に登る。夢枕獏、谷甲州の方が面白いかな。
「亜空間要塞の逆襲」私と邦子はギターひきと知り合い「ジャンの店」へ連れて行かれる。451という酒。ヴォネガットという男。JGの片腕ノヤマという男。くすぐりがいっぱい。
「征東都督府」最終回である。とうとう時間犯罪者の正体があきらかになった。
「宇宙にしるしを」宇宙にしるしをつけるというホラ話。それだけのこと。さしたる意味はない。
「ベン・バクスタ−の死」ベン・バクスターを死なせていけない。地球を救うために。
「檻」宇宙船不時着。現地の生き物のとりこになる。自分たちが知的生物であることを、いっしょうけんめいに、その生き物にアピールするが・・・。

(2016.7)
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