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SFマガジン思い出帳 第117回

雫石 鉄也







1976年2月号 No.207

掲載作

消滅の光輪(前篇)
眉村卓
ザ・ウェザーマン
シオドア・L・トーマス 山高昭訳
タズー惑星の地下鉄
コリン・キャップ 谷口高夫訳
こぞの雪
石川喬司
スズダル艦長の罪と栄光
コードウェイナー・スミス 伊藤典夫訳
銀河の「核」へ 
ラリイ・ニーヴン 小隅黎訳
情報惑星 
石原藤夫
おお!ブローベルよ
フィリップ・K・ディック 浅倉久志訳
常識はずれ 
ハル・クレメント 鷲見玲子訳
マホメットを殺した男たち
アルフレッド・ベスター 伊藤典夫訳
暗黒星団 
堀晃
派遣軍還る(第6回)
光瀬龍
宇宙のランデヴー(第5回)
アーサー・C・クラーク 南山宏訳
ガラスの眼 
E・F・ラッセル 宇野輝雄訳

クニ・ファンタスチカX
暗号=Cipher×Code
深井国

未踏の時代―回想のSFマガジン
福島正実
日本SFこてん古典 第32回 
海野十三の世界 その2
横田順彌
SFスキャナー
頑張る新人T・J・バス
榊周一

ソ連の旅〈エッセイ〉
星新一

太陽系の旅 ―ソコロフ最新傑作選―
A・ソコロフ

 2月号である。このころの2月号はページを増やして日本人作家特集をやっていた。日本人作家総出演だ。しかし、この1976年の2月号はページは増やしているが日本人作家特集ではない。「ハードSF特集」である。上の掲載作一覧を見てもらえばお判りのように、ラリイ・ニーヴン、石原藤夫、ハル・クレメント、堀晃、アーサー・C・クラークといかにもハードSFな作家がそろっている。
「消滅の光輪」前篇とあるように、この作品、作者は短期に終わるつもりであった。実は、このころ小生たちは作者の眉村さんと毎月お会いする機会があったのだが、眉村さんご本人からも直接そう聞いた。それがあのような大長編になるとは、読者も作者も思っても見なかった。
 待命司政官マセ・PPKA4・ユキオは惑星ラグザーンに派遣される。先住民はいい人たちらしい。
「ザ・ウェザーマン」世界の気象は評議会が決める。7月のカリフォルニアに雪を降らせてくれという要望が来る。
「タズー惑星の地下鉄」惑星タズーの地下鉄の調査。動力が謎。それにタズーはなぜ滅んだ。
「こぞの雪」夢書房シリーズ。ロン・ハーバード「宇宙航路」がモチーフ。途中、ちょっとエロ。
「スズダル艦長の罪と栄光」この物語を読んではいけない。とっととページをめくれ。
「銀河の『核』へ」ノウンシリーズ。おなじみのパペッティア人登場。
「情報惑星」モグラ人とハエ人。情報がワザしてるのか。
「おお!ブローベルよ」決められた時間しか人間になれない。決められた時間しかブローベルになれない。どうする。人間とブローベルが結婚すればいいのだ。
「常識はずれ」カニンガムは普通の宇宙服で灼熱のデネブに捨てられた。
「マホメットを殺した男たち」マッドサイエンティスト。妻が浮気。世界を変えようと思って、タイムマシンで過去へ。有名人を殺せば世界が変わるだろう?
「暗黒星団」生物学者ヤマモトが宇宙飛行士タキに依頼した。「見てきていただきたいモノがあります」何を?「集団自殺を」
「派遣軍還る」シンヤたちを攻撃する集団。それは派遣軍であった。
「宇宙のランデヴー」今回はドラゴンフライ号のジェイムス・パック中尉の物語。
「ガラスの眼」おかしい。この地域の生き物はみんな目が見えないはず。しかし、そいつはじっとこっちを見ていた。
 この号はなかなか読みごたえがあった。ハードSFはやはりSFの王道であるな。

(2017.3)
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