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SFマガジン思い出帳 第118回

雫石 鉄也







1976年3月号 No.208

掲載作

派遣軍還る(第7回)
光瀬龍
審問
スタニスラフ・レム 深見弾訳
『集団指揮官ルイ十六世』
スタニスラフ・レム 深見弾訳
アルデバランからの侵略
スタニスラフ・レム 深見弾訳
シルヴェスターの復讐
ヴァンス・アーンタール 風見潤訳
消滅の光輪(中篇)
眉村卓
わが谷は緑なりしか エーリアン・メモV
エーリアン・メモX 田中光二
宇宙のランデヴー(第6回)
アーサー・C・クラーク 南山宏訳
無人国道
リチャード・ウィルスン 宇野輝雄訳
読切コミックス劇場@
T・Mは絶対に・・・
藤子不二雄

北アメリカ・SFの旅(その1)
伊藤典夫
日本SFこてん古典 第33回
海野十三の世界 その3
横田順彌
クニ・ファンタスティカVI 
暗号=Cipher+Code
深井国
SFスキャナー
どこが どのように おもしろいのか
風見潤


 40年前に見たときはなんとも思ってなかったが、いま見ると大きな違和感を感じてしまう。こんな広告ええんかいな。現代なら日本広告審査機構の規制にひっかかるだろう。表2に三和銀行の広告が載っている。
 ビジュアルはベビーベッドの生まれたばかりの赤んぼう。それをのぞいてる二人。お兄ちゃんと思える男の子とオヤジ。で、キャッチコピーが「でかした、また男だ」男の子を生んだからほめられる。だったら女の子ではどうなんだ。「なんだ。女だ。がっかり」とでもするのか。たいへんな男女差別である。
 ま、それはさておき、この号の特集はスタニスラフ・レム。上記のとおり中篇1篇と短篇2篇が掲載されている。
「審問」250枚の中篇である。宇宙船ゴリアテで事故。だれが悪いのか。何が原因なのか。法廷が開かれる。
「『集団指揮官ルイ十六世』」ナチスのSSの将校が王国を創って国王になったとさ。
「アルデバランからの侵略」異星人がある星へ。その星とは。ご想像の通り「ある星」とは・・・。定番ネタだがレムらしい料理だ。
「派遣軍還る」ずっと以前から巨大隕石は地球にやって来ていたのだ。
「シルヴェスターの復讐」人間、どこまで肥満することができるのか。
「消滅の光輪」ラグザーン開発営社支部が閉鎖。なぜだ。要因はアレしか考えられない。司政官マセは支部閉鎖取りやめを要請する。
「わが谷は緑なりしか」ジョン・エナリー、今回はエスパーと対決。
「宇宙のランデヴー」巨大なカニ、大ヒトデ、クモ、ラーマの生き物?が続々登場。
「無人国道」対向車なし。後ろから来る車なし。店に入るガソリンスタンドに入る。だれもいない。電話かける。だれも出ない。なんなんだ。これは。
 伊藤典夫のアメリカ旅行記が始まった。不慣れなアメリカ一人旅のどたばた綱渡り旅行だったらしい。
 藤子不二雄の読みきり短篇漫画が始る。藤子不二雄の短篇漫画はSFマインドを非常に感じさせるモノが多い。   

(2017.4)
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