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SFマガジン思い出帳 第120回

雫石 鉄也







1976年5月号 No.210

掲載作

派遣軍還る(第9回)
光瀬龍
消滅の光輪(後篇・その2)
眉村卓
だれに樹が作れよう? 
P・J・ファーマー 浅倉久志訳
孤児収容所
キット・リード 安田均訳
ケイシー・アゴニステス
R・M・マッケンナ 斎藤伯好訳
女嫌い
ジェームス・E・ガン 小尾芙佐訳
吉原螢珠天神 
山田正紀
コードスリー
リック・レイフェル 高斎正

北アメリカ・SFの旅(その3)
伊藤典夫
クニ・ファンタスティカVIII 
暗号=Cipher+Code
深井国
SFスキャナー
男どもをブッ殺せ!
安田均
読切コミックス劇場B
大予言
藤子不二雄

 この号も、特集企画はなし。柱は日米の二本の中篇。山田正紀とリック・レイフル。 リック・レイフェル?不勉強ながら知らない作家。たしか、SFマガジンには、小生の記憶に間違いがなければ、この作品と、この作品の続編が掲載されただけではないか。この柱の2中篇、なかなかおもしろかった。
「吉原螢珠天神」SFマガジンに載った山田正紀の初めての時代劇ではないか。元お庭番の殺し屋宇之。彼に幕府の某大物の暗殺依頼がきた。徳川の世を支えるとんでも秘密が。時代劇だが後半ちゃんとSFになる。
「コードスリー」未来の北米大陸。超高速道路が張り巡らされていた。片側だけで4車線。1車線の道幅800m。そこをエアクッションで浮上するラムジェットで時速800キロで車?が走る。この超高速道路を仕事場とする警官たちのお仕事小説。爽快なカーアクション。訳者はこういう小説ならこの人以外になし高斎正。 
「派遣軍還る」シンヤはまだ戦いの真っただ中。生存者と遭遇す。
「消滅の光輪」母星超新星化。惑星ラグザーン退避計画。地球人の植民者だけでなく、原住民も助けるべきと司政官マセは考える。
「だれに樹が作れよう?」マッド・サイエンティスト・オンパレード。
「孤児収容所」とある惑星の孤児収容所。疎外されてる少年がいる。なぜか?
「ケイシー・アゴニステス」死を待つ重症患者専用病棟。そこの患者たちにとって「ケイシー」は救いだ。
「女嫌い」女の気持ちが判らない。あたりまえだ女は異種族なのだ。 


(2017.6)
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