福島正実氏を悼む
クニ・ファンタスティカ 最終回
暗号=Cipher+Code
深井国
北アメリカ・SFの旅(その5)
伊藤典夫
SFスキャナー
短篇たちへの鎮魂歌
榊周一
読切コミックス劇場D
光陰
藤子不二雄
特大号である。360ページある。日本作家特集である。ご覧のように掲載作はすべて日本人作家の作品だ。
「消滅の光輪」司政官マセ、惑星ラグザーンの戸籍整備作業に着手。空港をどうする?
「姓名コンサルタント」豊田有恒コンサルタントシリーズ。語学のうんちく。
「汝が魂を翼にゆだねよ」ジョン・エナリー、鳥を友とする「少佐」と知り合う。エーリアン・メモ最終回
「衛門開眼の伝説」「折紙宇宙船の伝説」3作目。衛門、加代子、老人。3人はエスパーである。
「アレキサンドリア石」〈彼女〉をミイラとして完成させるためには「賢者の石」が必要。それを探しにエジプトのアレキサンドリアへ。
「飛行船ケネディの乗客」巨大原子力豪華旅客飛行船の船内をすけべ男がうろうろ。
「ポトラッチ戦史」ネイティブアメリカンの習慣「ポトラッチ」が全世界に広まった。そして、とうとう世界ポトラッチ勃発。
「最後の接触」人体を利用/活用した恒星探査球。後半はパラレル小説に。
「それは元禄十五年か、それとも十六年か」元禄の某有名事件が起こったのはほんまはいつだ?光瀬の時間局シリーズは、だれがタイムパトロールか当てるのが楽しい。
「穴の中の冒険」まくらもとに大きな穴が。
「偽作『モンキー・レンチ』」論理学SF。「税理士はみなうそつきだ」これはほんまか?
「学術研究助成金」目次は「スペース・オペラ」となっているが間違い。幽霊の正体みたり×××。テレビ屋さんSF。
「非情の河」二つの肉筆文書。同一人物の手によるものか。片方の文書はつい最近のモノ。その人物は死んでいるはずだが。
「死造物主」死を道連れに人は行く。
「あまいお話」その男は地球の人ではない。
「決戦!! スペース・オペラ」このタイトルまちがい。(わざとまちがえた)ほんとは「決戦!! スペース・オケラ」オケラSF。頭をたたいて「お前の××どれぐらい」と聞くと「これぐらい。これぐらい」と両手を広げていう、あのオケラである。
「夢の棲む街」漏斗型の街。夢喰い虫。山尾さまの美しき幻想小説。
「北アメリカ・SFの旅」で、アメリカのファンダムでも初心者ファンは疎外感を味わうとあった。日本のファンダムも同じ。初めて会合に参加しても、なかなか仲間に入れてもらえなくて、さみしい思いをする。小生(雫石)はそんな記憶はあまりない。最初から大昔からいるようなでかい顔してたのかな。
この号では1976年4月に亡くなった、初代編集長福島正実の追悼企画を特集。
「過去への電話」「終わりの日」「ロマンチスト」は福島正実傑作選。こうして福島のSFを読むと、福島正実本人はSFのオニといわれてはいたが、本格ハードSFではなく、たいへんに文学的なSFを書く人だった。
亀山龍樹、光瀬龍が葬儀で弔辞を述べている。安部公房、荒正人、伊藤典夫、日下実男、手塚治虫、真鍋博、眉村卓、森優が追悼文を寄せている。
(2017.8)