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SFマガジン思い出帳 第124回

雫石 鉄也







1976年9月号 No.214

掲載作

消滅の光輪(第8回)
眉村卓
ライアへの讃歌
ジョージ・R・R・マーティン 谷口高夫訳
北緯38度54分西経77度0分13秒ランゲルハンス島沖を漂流中
ハーラン・エリスン 伊藤典夫訳
ホールマン
ラリイ・ニーブン 鷲見玲子訳
バンヤン・ツリー 続・街の博物誌パート7 
河野典生
離婚裁判
鈴木いずみ
征西快心篇
巌垣月州 横田順彌翻案
ローマという名の島宇宙
バリー・N・マルツバーグ 浅倉久志訳
シュメールの誓い
P・J・ファーマー 浅倉久志訳
イラスト奇譚
洞人挽歌
武部本一郎
日本SFこてん古典(第36回)
飛行機美人と飛行艇博士
横田順彌
星座の歳時記(第2回)
天の川の星たち
日下実男

グランドマーク(第2回)
スタジオぬえ
SFスキャナー
パロディのおもしろさ
風見潤

 吉例。ヒューゴー賞特集である。う〜む。このころのSFマガジンはSF専門の文芸誌としての責任をきちんと果たしていた。それに比べて隔月刊になってからのSFマガジンの堕落は目をおおうばかりである。ヒューゴー賞やネビュラ賞といった海外のSFの動静には知らんふり。アニメだ映画だと、これが文芸誌であるのか疑うばかり。
 さて、この号の掲載作のうち次の3作がヒューゴー賞受賞作。
「ライアへの讃歌」ノベラ部門受賞。42ページには「ネビュラ賞中長編賞受賞」となっているが間違い。42ページで間違って157ページに訂正記事。ちゃんと校正しなさい。訂正記事は当該ページの近くで、もっと見つけやすいように。
 長い!心を持たぬ寄生体。
「ランゲルハンス島沖を漂流中」ノベレット部門受賞。エリスンの代表作。めまぐるしくシーンはかわる。最終的はミクロの決死圏。
「ホールマン」ショート・ストーリイ部門受賞。その凶器は殺人史上、最もユニークなものだ。
「消滅の光輪」戸籍整備反対運動が起こる。司政官マセ、巡察官と会う。緊急指揮権確率の保証を問う。
「バンヤン・ツリー」その家族はバンヤンの樹であった。このシリーズもこれで完結。
「離婚裁判」離婚裁判。究極の解決法とは。
「征西快心篇」日本(と思われる架空の国)が、清国とインドのイギリス軍をやっつけて、勢いを駆ってイギリス本国になぐりこみ。ヴィクトリア女王を人質にとり、ついにはイギリスをやっつける。痛快!
「ローマという名の島宇宙」その名の通り、あらゆるモノがそこへ行く。
「シュメールの誓い」病気を広めているのは、ひょっとして医者かも知れない。 

(2017.10)
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