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SFマガジン思い出帳 第126回

雫石 鉄也







1976年11月号 No.216

掲載作

消滅の光輪(第10回)
眉村卓
わるい夢
鈴木いずみ
クリフォード・D・シマック 三田村裕訳
女主人(ホステス)
アイザック・アシモフ 榊周一訳
真鍮と黄金
フィリップ・ホセ・ファーマー 浅倉久志訳
直観
クリストファー・アンヴィル 日夏響訳
宇宙船『オロモルフ号』の復活
石原藤夫
イラスト&ポエム
四つの断章
依光隆
新鋭評論
SFと神話
中川裕朗
星座の歳時記(第4回)
秋の星座と水星
日下実男
日本SFこてん古典(第38回)
古典SF Q&A・4
横田順彌

グランドマーク(第4回)
スタジオぬえ
SFスキャナー
二つの年刊SF傑作選
安田均

TOKONレポート
横田順彌
星群祭レポート
児島冬樹

 この号は、とくだん特集企画はない。ルーティーンワークの通常号である。連載1本、読み切り短編が6本。実にバランスの良い編集だ。最近の隔月刊になってからのSFマガジンは、このころの編集方針を見習うべきだ。
 さて、この号の掲載作を見ていこう。
「消滅の光輪」司政官マセ、緊急指揮権を取得。各有力団体を集めて会議をする必要がある。その前に記者会見をしなくては。
「わるい夢」目覚めると彼の身体は女になっていた。
「鬼」知性を持つ植物の惑星。ライフルツリーという樹は弾丸のように種を飛ばすから危険だ。
「女主人(ホステス)」死に至る病「抑制死」の研究に異星の博士がウチにやってきた。「ニードルガン」短針銃。福島正実編「SF入門」で光瀬龍が「SFにあらわれる武器」として紹介しているが、これが登場する作品は不勉強ながら、小生(雫石)は知らなかったが、この作品には「ニードルガン」が登場する。 
「真鍮と黄金」ブラス(真鍮)という男が、ベバリー・ヒルズに住んでいた。まわりはゴールドやシルバーばかり。
「直観」星間偵察隊。巨大戦艦と遭遇。戦闘状態になった。
「宇宙船『オロモルフ号』の復活」オロモルフ号の前に巨大な宇宙船が3隻出現。何者。石原博士の私小説と思わせるところが垣間見える。
「SFと神話」評論ではあるが、この筆者、本気でSFを愛してるとは思えぬ。この人、小生の記憶ではその後SF界で名前を見たことがない。

(2017.12)
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