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SFマガジン思い出帳 第128回

雫石 鉄也







1977年1月号 No.218

掲載作

消滅の光輪(第12回)
眉村卓
旅人の憩い 
デイヴィッド・I・マッスン 伊藤典夫訳
時間飛行士へのささやかな贈物
フィリップ・K・ディック 浅倉久志訳
物証の重み
ボブ・ショウ 榊周一訳
岩山の城
ピージー・ワイアル 伊藤典夫訳
切り離された火曜日だけの世界
フィリップ・ホセ・ファーマー 岡部宏之訳
永遠なる現在
トーマス・M・ディッシュ 荒俣宏訳
時のいたみ 
バート・K・ファイラー 鏡明訳
スノッドグラス氏のタイムマシン
フレデリック・ポール 浅倉久志訳
歩いて帰った男
ジェイムス・ティプトリー・Jr  伊藤典夫訳
若くならない男
フリッツ・ライバー 伊藤典夫訳
時を生きる種族
マイクル・ムアコック 鏡明訳
飛加藤を斬れ!
光瀬龍
涙のヒットパレード
鈴木いずみ
風流志道軒伝
平賀源内 横田順彌翻案
幻想絵画館
魅惑のヒロインたち
武部本一郎
星座の歳時記(第6回)
冬の王者シリウスと木星
日下実男
日本SFこてん古典(第40回)
明治人の描いた「百年後の日本」
横田順彌

グランドマーク
スタジオぬえ

 時間SFの特集。連載長編の「消滅の光輪」以外の14編が特集企画の時間SF。ともかく15編もの読み切り短篇が掲載されている。このころのSFマガジンは実にお徳用な雑誌であったわけ。
「消滅の光輪」緊急事態対策会議開催さる。選ばれた団体の代表者に緊急指揮権を持つ司政官マセ方針を表明。
「旅人の憩い」時間が北に向かって「集速」している。
「時間飛行士へのささやかな贈物」俺はいま葬式の人々の中にいる。だれの葬式かって。俺たちのだ。
「物証の重み」光が通過するのに時間がかかるガラス。10年モノのスローガラス。10年前、そのガラスの前で殺人時間。10年たった。犯人はだれ?
「岩山の城」ハンサムな王子は美しい娘を嫁に迎えるために山に大きな城をつくった。
「切り離された火曜日だけの世界」彼女にひとめぼれ。ところが彼女は水曜の人。トム・ピムは火曜の男。困った。
「永遠なる現在」永遠なる美。そんなもんあるんかいな。ある。「物質再生機」があるから。
「時のいたみ」彼は帰って来た。たくましくなって。10年後の未来から。
「スノッドグラス氏のタイムマシン」人間が増えた。人間全員の体重の総合計と島宇宙全物質の重量が同じになった。スノッドグラス氏がよけいなことをしたからだ。
「歩いて帰った男」不屈の決意で彼は歩く。
「若くならない男」墓穴から棺桶が出てくる。棺桶から死人が出てきて生き返る。逆まわり。
「時を生きる種族」遥かな未来。人類は変身をせまられた。
「飛加藤を斬れ!」信玄の首を取りに忍者加藤段蔵しのびこみ古今集を盗む。その時、あの連中が。
「涙のヒットパレード」懐かしや昭和の時代1960年代。独裁政治の22世紀からふりかえる。
「風流志道軒伝」志道軒こと浅之進の大冒険。
(2018.2)
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