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SFマガジン思い出帳 第129回

雫石 鉄也







1977年2月号 No.219

掲載作

消滅の光輪(第13回)
眉村卓
都市への道 
キース・ローマー 風見潤訳
超高速道路 事故発生!
リック・レイフェル 高斎正訳
カーボン・コピー
クリフォード・D・シマック 谷口高夫訳
復讐の女神
ロジャー・ゼラズニイ 浅倉久志訳
危険!幼児逃亡中
C・L・コットレル  伊藤典夫訳
偽りの夜明け
A・バートラム・チャンドラー 野田昌宏訳
絵物語−切支丹拾遺−
原城の異変
畑農照雄
星座の歳時記(第7回)
くじら座と宇宙の生命
日下実男
日本SFこてん古典(第41回)
幻のSF作家 蘭郁二郎
横田順彌

グランドマーク
スタジオぬえ
SFスキャナー
ロボット怪獣大戦争
大野万紀

 特集は「総力特集 これがSFだ!」なんとも大胆不敵直球ストレートなネーミングの企画である。これがSFかどうか判らぬが、なかなか読み応えのある作品がそろった。
 眉村卓の連載以外の6編の読み切りは、100枚前後の長い目の短編である。雑誌ながらちょっとしたアンソロジーとなっている。
「消滅の光輪」司政官マセ、本格的な退避計画実行を住民代表に説明。かなり強引に。
「危険!幼児逃亡中」爆弾落下。不発。放射能物質散乱。無人の街を八つの女の子が行く。
「偽りの夜明け」衛星ロアナの灯が一つずつ消えていく。大きな災厄に見舞われているのか。
「都市への道」列車から降りたブレット。そこから先にレールはない。ここにいるのはゴーレムばかりか。
「復讐の女神」特殊な能力を持つ3人のハンター。狩るのは心臓のない男。
「カーボン・コピー」不動産屋のホーマー・ジャクソン、信じられない好条件で不動産の仲介を引き受ける。50棟の住宅、即完売。
「超高速道路 事故発生!」超高速道路を酔っぱらい運転するバカ。そのバカは大企業社長のあほぼん。
 この号はお徳用な号であった。    

(2018.3)
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