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SFマガジン思い出帳 第133回

雫石 鉄也







1977年6月号 No.223

掲載作

消滅の光輪(第17回)
眉村卓
ジャン・デュプレ 
ゴードン・R・ディクスン 岡部宏之訳
たとえ赤い人殺しが 
ロバート・シェクリイ 伊藤典夫訳
戦争のHORARたち
ジーン・ウルフ 小尾芙佐訳
グッドライフ
フレッド・セイバーへーゲン 浅倉久志訳
最終戦争
バリー・N・マルツバーグ  黒丸尚訳
ゲーム
ドナルド・バーセルミ 伊藤典夫訳
終わりなき戦い(第二部)
ジョー・ホールドマン 風見潤訳
手の中の鳥
ラリイ・ニーブン 野口幸夫訳
私をSFに狂わせた画描きたち
エド・カーティア(その3)
野田昌宏
星座の歳時記(第11回)
宇宙の技術文明の数
日下実男
日本SFこてん古典(第45回)
ぼくのこてん古典日記
横田順彌

グランドマーク〈三面図〉
スタジオぬえ
SFスキャナー
壮絶! 爺婆ネビュラ合戦
榊周一

 この号の特集は「戦争SF」戦争という極めて異常な状態をSFがどう表現したかを問う特集だ。が、しかし人類の歴史を見れば、「戦争」は平常で「平和」が異常だと見てもいいのでは。だったら「戦争SF」特集をやるのだったら、「平和SF」特集をやってこそ、つり合いが取れるのではないか。ところが「平和SF」特集はついぞSFマガジンでは企画されなかった。片手落ちというモノである。
「消滅の光輪」ランがマセに聞く。「あなた死ぬのが怖くないの」マセ答える。「考えたことないなあ」
「ジャン・デュプレ」私は惑星ウトワードのレインジャー部隊隊長。入植者をクラハリの攻撃から守るのが仕事だ。少年と会った。名前はジャン・デュプレ。
「たとえ赤い人殺しが」戦死しても生きかえらされる。戦功が不足だからだ。これで4回目。ええかげんに死なせてくれ。
「戦争のHORARたち」HORARそれは戦いのためだけに生まれた。
「グッドライフ」狂戦士パーサーカーシリーズ。無人殺戮船パーサーカーから通信が。「これからボートを送って、お前たちを救う」
「最終戦争」困ったもんだ。ウチの中隊は。一等兵のヘイスティングと新任の大尉が、曹長の私の頭痛のタネ。
「ゲーム」ショトウェルとおれの仕事はコンソールを監視すること。コンソールのボタンを押すと・・・。
「終わりなき戦い(第二部)」第二部である。トーランの戦いはひとまず終わった。マンデラ軍曹、恋人メアリーが重傷を負う。久しぶりに地球に帰ってきたがみんな冷たかった。
「手の中の鳥」この作品は特集企画の「戦争SF」ではない。国連の事務総長は世襲だ。今の事務総長はバカだ。

(2018.7)
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