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SFマガジン思い出帳 第137回

雫石 鉄也







1977年10月号 No.227

掲載作

監視者
リチャード・カウパー 岡部宏之訳
太陽系辺境空域
ラリイ・ニーヴン 小隅黎訳
ニュー・アトランティス
アーシュラ・K・ル・グィン 佐藤高子子訳
はぐれトマト
マイクル・ビショップ 浅倉久志訳
消滅の光輪(第21回)
眉村卓
カメガルー・コート(完結篇)
かんべむさし
関東大時震
横田順彌
バビロニア・ウェーブ
堀晃

宇宙叙事詩 1
宇宙船乗りの唄が聞こえる
光瀬龍+萩尾望都
日本SFこてん古典(第49回)
幻のSF作家 渋江保のこと
横田順彌
星座の歳時記(連載15)
いるか座と星間言語 
日下実男
ワンダーランドへようこそ(連載4)
未来世界の闘士マグナス
鎌田三平
私をSFに狂わせた画描きたち
連載 エド・エムシュウィラー(その1)
野田昌宏

特別寄稿 首長竜の唄
光瀬龍
SFスキャナー
女性作家総まくり
風見潤
サイエンス・トピック
日本の宇宙開発長期ビジョン 
池見照二

 先号がネビュラ賞特集であった。とうぜん、ヒューゴー賞も特集しないと片手落ちというものである。と、いうわけでこの号はヒューゴー賞特集。「監視者」「太陽系辺境空域」「ニュー・アトランティス」「はぐれトマト」がそれ。とはいいつつも、受賞作はノベレット部門の「太陽系辺境空域」だけ。「監視者」はノヴェラ部門第5席「ニュー・アトランティス」ノベレット部門第2席「はぐれトマト」はショート・ストーリイ部門第5席。
「監視者」その修道院には秘密がある。「予告集」それには未来のことが記述してあるらしい。
「太陽系辺境空域」太陽系辺境空域で謎の宇宙船連続消失事件発生。自然現象か、海賊のしわざか、はたまたなんぞの陰謀か。
「ニュー・アトランティス」アナタガタハドコニイルノカ?何者かが問いかけてくる。どこから?
「はぐれトマト」ある朝目覚めるとフィリップ・Kはものすごく大きなトマトになっていた。トマト宇宙を行く。
「消滅の光輪」司政官マセ、実際に避難民を輸送する船団の関係者と会合をもつ。
「カメガルー・コート」いよいよ運命のテレビ出演の日がやってきた。どうする。思うままのことをいうか。それとも・・・。
「関東大時震」荒熊雪之丞シリーズ。主人公雪之丞、超巨乳の蘭花ちゃん、陳さんたち恐龍時代にタイムスリップ。マッドサイエンティストの松戸博士も加わって大さわぎ。奇絶、怪絶、また壮絶。
「バビロニア・ウェーブ」直径53000キロ長さ8530光年の光の束。それは人類に無尽蔵のエネルギーを与えた。
 野田昌宏がスターウォーズを観た。もちろん第一作エピソード4。興奮絶賛。確かにアレを初めて「体験」した時は小生(雫石)も興奮絶賛した。
 1977年.ニューネッシー騒ぎというのがあった。ニュージーランド沖で日本のトロール漁船が巨大な腐乱死体を引き上げた。それはプレシオザウルスではないかと大さわぎになったが、どうもウバザメ説がいまも優勢。光瀬龍はウバザメ説を否定している。あれから41年、結局、あれはなんだったんだろう。もしプレシオザウルスならまた出てきてもいいのではないだろうか。 

(2018.11)
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