1967年10月号 No.99
掲載作
EXPO87(第3回) 眉村卓
悪魔のいる星 ジャック・ヴァンス
ロトの娘 ウォード・ムーア
オペラ作戦 トム・ゴドウィン
名誉ある敗北 クリフォード・D・シマック
慶安大変記 筒井康隆
花の命は短くて 福島正実
改体者の行く道 ロバート・シルヴァーバーグ
このうち小生は人気カウンターに、
1位 改体者の行く道
2位 オペラ作戦
3位 慶安大変記
と、投票している。1位はシルヴァーバーグだが、この時分のシルヴァーバーグは、いわゆるニュー・シルヴァーバーグのまただ中で、60年代アメリカのSF作家で最ものって作品を発表していた作家だった。
当時の海外SFの供給源で、最も大きなものは早川のSFシリーズ、いわゆる銀背と呼ばれるシリーズ。銀脊は裏表紙に作品紹介が載せてあり、小生は書店で手にして、ここを見て、買うか買わないか決めていた。ま、たいていは買っていたが。紹介文を読んで、面白そうだ、と思って買ったが、それほどでもなかったのもあるし、そのとおりやったのもある。「時の仮面」「いまひとたびの生」「夜の翼」などの、ニュー・シルヴァーバーグの諸作品は、いずれも銀背で出ていたが、裏表紙を見て、えらい面白そうやと思って買うが、期待以上の面白さだった。60年代後半から、70年代後半にかけて、最も期待を裏切らないアメリカ作家が、ロバート・ニュー。シルヴァーバーグだったのである。
この号に、「『宇宙の戦士』をどう評価するか」という石川喬司の記事が掲載されている。これは石川氏が当時のSFマガジン、ブックレビューのページ「SFででくたあ」で、ハインラインの「宇宙の戦士」を紹介した。そこで石川氏がハインラインのファッシズムへの傾斜をショックと記述した。これに関して田路昭氏が「テレポート」のページに反論を寄せ論争となった。この記事を読み直したが、実に建設的な論争だ。当時の「テレポート」のページがいかに充実していたか良くわかる。それに比べて、今の「テレポート」欄のなんとさみしいことか。小生も何ぞ書いて投稿しようと思うのだが、なかなか時間がとれない。
(2009.3)
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