1972年度ヒューゴー・ネビュラ賞特集の第2部。「無常の月」と「帝国よりも大きくゆるやかに」がこの特集企画の掲載作である。
「無常の月」ヒューゴー賞短編賞受賞。今夜の月の光は異常だ。どうしてこんなに輝く。太陽が異常なのだ。昼がくればみんな死ぬ。愛し合う二人は?新井素子が書きそうな破滅もん。翻訳が柴野拓美!?小隅黎ではなく柴野拓美。なんかあったんだろうか。
「帝国よりも大きくゆるやかに」探検隊が目的の星に到着。そこは緑の星。この星の森は全体が一つの「存在」探検隊の内部でパニックが発生する。「恐怖」が襲ってくる。純粋な「恐怖」そのものが。この2作がヒューゴー・ネビュラ賞企画。
「ニッポンカサドリ」古風なニッポン男子である書道の先生。特攻隊の生き残りである先生は戦後の風潮を嘆く。そんな先生が頭に日の丸を頂く鳥に出会った。
「ノー・コネクション」舞台は遠未来の北アメリカ。かっては高度な文明を有した原始霊長類。この霊長類はなぜ滅んだか。
「されば荒野に水わきいで・・・」ピープル・シリーズ。挿絵は新井苑子さん。このシリーズは新井さんが挿絵を描いているが、新井さんの画風がよくあっている。
荒野に墜落した飛行物体から救出された少年は大やけど。開拓農民の一家に手当てを受けて世話になる。この家の少年と友だちになる。このあたりはひどい旱魃で水がない。一家はこの地を見捨てて移住を検討している。そしてやけど少年が奇跡を起こす。このシリーズいいなあ。
「ロン先生の虫眼鏡」は今回はジガバチの話。筆者のメスのジガバチに対する愛情が感じられる。
「新・幻魔大戦」は休載。どこにもなんのことわりもない。なんかあったんだろうか。
(2014.7)