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とつぜんコラム No.8

雫石 鉄也


 小生が2001年度に読んだ主な本は以下の通り。こうして並べてみると少ないなあ。もっと本を読まなければあかんと反省しつつこの一文を書いている。
「ブラックライ卜」スティーブン・ハンター、「永遠の森 博物館惑星」菅浩江、「2001年宇宙の旅」アーサー・C・クラーク、「始祖鳥記」飯島和一、「ハンマー・オブ・エデン」ケン・フォレット、「放浪獣」菊地秀行、「どうぶつえんのいっしゅうかん」斉藤洋、星群79号、「あっちこっちサバンナ]斉藤洋、「ヨコジュンのハチャハチャ青春記」横田順彌、「過ぎ去りし日々の光」アーサー・Cクラーク&S・バクスター、「天国への階段」白川道、「星群ノベルズ20」、「海賊オッカムの至宝」グクラス・プレストン&リンカーン・チャイルド、「ゼウス」大石英司、「スペースオペラの書き方」野田昌宏、「日本アニメ創世記」豊田有恒、「ハリー・ポッターと賢者の石]J・K・ローリング、「黄金の幻影都市1」タッド・ウイリアムズ、「愛の領分」藤田宜永、「狩りのとき」S・ハンター。
 ベスト3は「博物館惑星」「天国への階段」「ゼウス」といったところか。
「博物館惑星」はここ十年で読んだ日本SFのなかでも卜ップクラスの作品だと思う。SFでしか出来ない設定の状況で繰り広げられる各エピソードはSFでしか作ることができない話しである。SFを読む醍醐昧を満喫した。
「天国への階段」上下2巻2000枚の大作である。男の復讐評というよくある話しだが、作者はなかなかのストーリーテラーでうねりながら進むストーリーの身をまかせると抜けられなくなって一気に読んだ。
「ゼウス」カバー裏のコビーにホラー、パニック、危機管理、バイオテクノロジー、青春小説の要素を盛り込んだ壮大なエンターティメン卜とあるので、なんと欲張った作品だろうと思ったが、読むとあきれたことにほんとにそうだった。特撮怪獣もんが好きな人にはぜひお薦め。
「狩りのとき」を読んでスティーブン・ハンターのボブ・リー・スワッガー四部作を読了。超A級の狙撃手の話しといったらたいていの人はゴルゴを思い浮べるが、ボブ・リーはあんな狙撃マシーンではなく悩み苦しむ血の通った人問。「このミス2000年版」にも書いていたがこのシリーズをこれから読まれる人はちょっと注意が必要。「極大射程」「ダーティーホワイトポーイズ」「ブラックライト」「狩りのとき」という順番で読むべし。出版社も「極大射程」が新潮社他の3作が扶桑社とちがうからこれもご注意。
「ハリー・ポッター」は子供がはまって彼は3作をあっというまに読んだ。関連本を何冊も買わされたし映画にも連れていかされた。で、小生もおそまきながら読んだが、しごくまっとうなイギリス現代ファンタジーだった。ファンタジーが好きな人はよいが、小生はファンタジーにはあまりなじみがなく、もひとつのれなかった。
 現代の出版界の覇王ともいえる作品だから押さえておきたいが、あんなぶっとい本はめんどいと思う人は映画がお薦め。原作に忠実だし映像もきれいで上出来の映画だった。

(2002.2)

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