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とつぜんコラム No.19

雫石 鉄也


 年があらたまった。2003年、鉄腕アトムが誕生した年である。21世紀になってまる2年たった。思えば“未来”にいるわけだ。昔の正月の新聞に真鍋博のイラス卜で載っていた「21世紀の日本」という特集によれば、私たちは明るく便利で快適な生活をしているはずだ。ところが現実はご承知のとおり。日本は不景気のまっただなか。かくいう小生も昨年11月にリストラされて現在浪々の身の上。就職支援会社やハローワークなどへ足を運んでいるが、なかなか思う通りの職がないのが現実だ。
 今年2003年の雇用状況はさらに厳しいものになるとのこと。早々に次の勤め口を見付けなければならない。退職金が底をつくと一家3人ホームレスとなって餓死する。えらいこっちゃ。
 しかし、ま、自由時間だけはたっぷり出来たので本はよく読めるし書きたい原稿も書ける。
 で、これからどうする/どうなる。と、まあ、ウジウジ考えていてもしかたがない。とりあえずハローワークへ行こ。
 ハローワークから帰ってきた。全然無いな。タクシーの運転手かビルの警備員の仕事しかない。
 要は前の会社時代か、望むべくはそれ以上の生活ができる程度の収入があればよいわけ。会社に就職するというのは手段であって目的ではない。一番手っ取りばやい一つの手段にすぎない。かといってこんな文章を書いて収入が得られるほど、小生に才能があるとは思えないことはこの一文を読んでいるあなたが一番よくご存じのはず。
 で、ここで状況と条件を整理してみよう。
  社会:大不況・就職難
  年令:中高年
  家放:妻子あり
  資格:なし
  特技:なし
  学歴:低学歴
 こういう状況と条件で目的は以下のとおり。
 ・週に3回酒を飲む。冬は日木酒(桜正宗)夏はビール(エビス)
 ・毎週土曜日にビデオ見ながらウィスキーを飲む。国産(ブラッ
  クニッカ)スヨッチ(ジョニ赤)バーボン(アーリータイム)
 ・好きなだけ新刊本を買う。SFマガジンは毎月買う。
 ・土日は予算無制限で小生が料理する。
 ・車を持つ。(1500CC以上。ホンダ車)
 ・年に一回は妻と外食する。
 ・毎年夏休みには一泊二日程度の家族旅行。
 ・子供が観たい映画は観せる。
 こういう生活が出来るだけの収入が安定して入ってくる。
 ぜいたくかなあ。何をぜいたくなことをいっている。雨露がしのげる屋根の下で寝れるだけでもありがたいと思え。なんと慎ましい望みか。かわいそうで涙が出てくる。あなたはどっちの意見かな。
ゲーム好きな人がいれば、こういうロールプレイングゲームを作ってくれないかな。いっぺんにゲームオーバーになるかな。


(2003.1)

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