最近、動物園に行った記憶がありますか。小生も子供が小学校五年ぐらいまでは、月に一度か二度ぐらいの頻度で大阪の天王寺動物園や神戸の王子動物園に連れて行った。ところが子供が中学生になってとんとご無沙汰。子供さんが大きいお方は動物園なんてここ何年と行ってないといわれるムキもおられるだろう。ええ歳したおじさんやおばさんばっかりであんまり動物園なんかには行きません。動物園なんてあまり話題に上がりませんよね。
というわけで今回は動物園の話題。みなさん旭山動物園という動物園をご存知でしょうか。どんな動物園かこれをご覧になればわかりますが、日本最北端の動物園という以外にどうということもない動物園である。ところがこの動物園の8月の入場者数が32万人。東京の上野動物園を抜いて全国1の入場者数を記録した。この動物園もかって入場者数が大幅に落ち込み閉園寸前までいったことがあったそうだ。この北海道の最果てのなんでもない市立の動物園が、いかにして東京の上野動物園を抜いたのか?
動物園に何を期待して行くか?動物を見に行くのですね。ところがいつも水の中で寝ているだけのカバや寝そべっているライオンのあくびを見ても面白くない。旭山動物園は動物が一番いきいきできる状態を作り彼らが活発に行動している様子を客に見せる「行動展示」を最大限打ち出した動物園にモデルチェンジした。例えば白クマ。客はガラス越しに見る。白クマの視線のちょうどまっすぐ先に客の顔が見え、彼らの目には水面上の客の顔がアザラシがのぞいている様に見える。で、白クマは客の顔めがけてダイビング。客は真正面から襲いかかってくる迫力ある白クマが見える。豹は樹上生活者だから高いところに檻を作った。ペンギンはよちよち歩く陸上のペンギンだけではなく俊敏に泳ぎ回る水中のペンギンも見せる。ようするに動物の魅力を100パーセント見せてくれる動物園。これが旭山動物園が復活した秘密だ。もちろんこうなった陰には大変な努力があった。
動物1頭1頭に熟知しその動物の魅力をいかにして引き出し展示するか。もちろん動物にストレスをかけることはゆるされない。そのため、どういう設備を造るか。そして市立だからいかにして議会の承認を得て予算を獲得するか。
大変に示唆に富む話ではないか。本気で考えて工夫して努力すれば道は開けるのである。業績が悪化したといってアホのひとつ覚えみたいに安易にリストラに走る企業経営者や、赤字やといって球団数減少や1リーグ制に向かうプロ野球オーナーどもは、ここの動物園の園長さんの爪のアカでも煎じて飲んだら。
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