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とつぜんコラム No.53

雫石 鉄也




 村上ファンドのムラカミさんとか楽天のミキタニさん、ライブドアのホリエさんなど最近お金持ちの人たちが何かと話題になっている。みなさん、株やIT関連でたんとお金を儲けていらっしゃる。
で、儲けた金で阪神やTBS、ニッポン放送の株を買ってさらにお金を増やそうとなさる。このことに関して世間のおおかたの感想はおおむね好意的なものではなさそう。金さえ出せばなんでもできると思っているのと違うか。というのが大方の考えだろう。好意的に見る人もいるだろうが、金の亡者め、といった反感をいだく人が多いのではないか。
 現代の日本は自由な資本主義の社会。法に反しない限り自由に金を稼いで自由に金を使える社会である。彼らは自らの才覚で金を儲け、自ら事業を興し発展させようと努力をしている。だから、どのように金を使い増やそうとしても自由で、誰からもそしりを受けるいわれはないはず。ま、金持ちに対するやっかみ、ひがみ、うらやましがりがほとんどだろう。もちろん小生も小人だからそういう感情はある。しかしただ羨ましがっているだけでは面白くないので、ちょっと妄想をいだいてみよう。小生が大金持ちになったらなにをするか。
 私設水族館。小生は若いころ本気で魚の勉強をしようと思ったほど魚好き。阪神大震災前は熱帯魚の水槽を二つ持っていたが、水槽が倒れて部屋の中が大惨事になった。今は魚は飼っていない。いずれ再開したいと思っている。金が有ればアマゾン、アフリカ、東南アジアの三つのコーナーを持つ水族館を持ちたいな。
 私設図書館。もちろんSF専門の図書館。海外のものまでとなると大変なので、日本で発行されたSFを網羅したい。SF以外にも冒険小説、ホラー、ミステリーなど他ジャンルのエンタティメント小説もカバーしたい。
 私設寄席。2006年春オープン予定の天満天神繁盛亭があるが、上方落語の常設小屋は今は一軒もない。上方落語ファンの一人として、これからの上方落語を担う若手の噺家たちに演ずる場を提供したい。もちろん小生がいつでも好きな時に上方落語を楽しみたいからが一番の理由。
 私設映画館。ホームシアターなら実現可能かもしれないが、やはり本格的な大スクリーンの映画館を持ちたい。映画館に足を運ばなくなって久しい。金と時間がないという理由が一番だが、最近の映画館の客のマナーの悪さも大きな理由。映画の見方も知らん猿どもと映画を見るぐらいなら自宅でビデオを観てるほうがまし。それに映画の前に上映される広告も気にくわない。テレビCMならチャンネルを変えられる、雑誌広告なら頁をめくればいい。映画館の広告だけは逃れられない。なんで金を払って見たくない広告を見なくてはならないのか。やるなら映画が終わってからやれ。
 その他自宅の厨房と食堂は和食、中華、洋食の3セット持ちたい。
車はフォーマルな高級セダン、スポーツカー、四駆のRV、お買い物用のワゴンの4台は欲しい。甲子園球場の小生専用ボックスなどなど夢のまた夢だが貧乏人だって夢を見る楽しみぐらいはできる。 

(2005.11)

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