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とつぜんコラム No.54

雫石 鉄也





 12月になってしまった。なにほどのこともできずに今年も1年をすごした。それでも、ま、なんとか正月を迎えられそう。
 今年もいろいろあった。今年1年間に複数の職場を経験した。いずれもアルバイト、派遣社員、契約社員などで正式に採用されたことは一度もない。しかも変わるたびに収入が減ってくる。リストラされた中高年としてはいたしかたないところか。ま、なんとかだましだまし年金がもらえるまでしのいで行こう。
 あまりうれしいことがなかった今年だが一番うれしかったのは阪神タイガースの優勝。今年のペナントレースは安心して見ていられた。毎年のことだが(2003年は別)、オープン戦から春先にかけて調子が良く今年は行けるかなと期待を持たせて、シーズンが終わってみればBクラス、というのが阪神の毎年のパターン。ところが今シーズンは普通に強く普通に勝って行った。それはそれとして今年は日本シリーズは開催されなかったな。なんか10月にロッテと交流戦の未消化分の4試合をして4連敗してたけど。
 サンケイホールでの米朝一門会へ行った。サンケイホール建て替えのため現在のホールでの最後の一門会となる。米朝師匠も80歳。ひょっとするとサンケイホールで聞ける最後の米朝落語かもしれない。上方落語ファンの小生が落語をよく聞きに行ったのは、太融寺島之内寄席、そしてこのサンケイホールだ。建て替えのため解体されるとか。少しさみしい。
 VHSのビデオデッキが壊れたのでDVDプレーヤーを買った。
で、なんと不便な機械を録画に使っていたのかがようく分かった。テープを用意しなくてもいい。ややこしいGコード予約は不要。番組表をクリックするだけ。それにVHSテープよりDVDの方が安い。ところが困ったのはテープの処理。映画などはDVDを購入できるがお金では買えない内容のテープがたくさん有る。街のダビング屋で1000円以上とられる。何人かの友人にアドバイスを求めたら皆さんに同じアドバイスをいただいた。「ダビング用に新しいデッキを買いなさい」で、ミドリ電化に買いに行くと1万円でお釣りがあった。VHSのデッキがこんなに安くなっていたとは知らなかった。この手の機械は知らない間にどんどん進歩することを実感。
 簡単に予約録画できるようになったので上方落語のコレクションを増やそうと思っているのだが上方落語のTV番組が少ない。NHKの「上方演芸ホール」、読売テレビの「平成紅梅亭」、それにNHK教育の「日本の話芸」が時々放送してくれる。定期的に放送してくれるのはこの程度。落語会に行けばよいのだが時間がなくめったに行けない。落語ですらこんな具合だから、講談、浪曲となるともっと少ない、というか全くない。これらの古典芸能が好きな人は困っているだろうな。
 50を越えたおっさんにとって年が変わるなんてことは別になんの感慨もないが、今年はあまりよい年でなかっただけに、ひとつの区切りとして正月を迎えて新局面を切り開きたいと思う。
 
 

(2005.12)

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